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📈 2026年7月の中古車輸出市場レポート!ロシア5ヶ月連続首位・モンゴル2.4倍、スリランカ半減の要因とは?

9月30日
読了時間: 10分
※本記事は、財務省貿易統計(輸出確報)を基にJapanCarrier(株式会社ジャパン・キャリアー)が集計した中古車輸出データに基づきます。最終更新:2026年9月30日

中古車輸出レポート7月

2026年7月の日本の中古車輸出台数は140,011台(前年同月比93.1%)で、5月に続き単月で前年を下回りました。

国別では、ロシアが23,840台(前年同月比139.9%)で3月から5ヶ月連続の首位です。2位はタンザニアの11,578台(同123.3%)、3位はモンゴルの8,413台(同236.5%)でした。

一方、スリランカは6,113台(同53.2%)とほぼ半減しました。UAEは3,280台(同17.0%)と、底入れの兆しはあるものの低水準が続いています。

1〜7月累計は993,374台(前年同期比102.1%)で、年間100万台の大台に目前まで迫っています。

本記事では、ロシア・モンゴル・スリランカ・UAE・パキスタンの5市場について、「なぜ」動いたのかを規制・税制・物流・為替の観点から解説します。

🌟 2026年7月の中古車輸出動向の統計解析

中古車輸出トップ10

順位

国名

2026年7月

前年同月比

1〜7月累計

累計前年比

1

ロシア

23,840台

139.9%

134,440台

133.6%

2

タンザニア

11,578台

123.3%

99,675台

175.0%

3

モンゴル

8,413台

236.5%

50,577台

111.9%

4

ニュージーランド

8,008台

145.1%

54,846台

128.0%

5

チリ

7,077台

107.8%

52,979台

119.4%

6

ケニア

6,609台

82.2%

43,747台

103.7%

7

スリランカ

6,113台

53.2%

44,363台

141.7%

8

南アフリカ共和国

5,392台

114.9%

43,781台

124.3%

9

タイ

4,794台

177.1%

28,152台

87.3%

10

マレーシア

3,974台

88.9%

32,136台

108.3%

—

総計

140,011台

93.1%

993,374台

102.1%

(出典:財務省貿易統計を基にJapanCarrier集計。参考:税関 貿易統計)

ポイントは3つです。 ロシア一強が鮮明になりました。 7月のロシア向けは総計の17.0%を占めています。6月の26,272台は2025年以降で月次最多で、7月も2番目の水準でした。累計134,440台は、すでに2025年通年(186,584台)の72%に達しています。 総計の前年割れ(▲10,401台)は、UAE(▲16,012台)とスリランカ(▲5,378台)の2市場でほぼ説明できます。 UAEを除いた累計は前年同期比115.3%で、需要そのものは強いままです。 右ハンドル先進国が好調です。 オーストラリア(174.7%)、アイルランド(169.7%)、ニュージーランド(145.1%)が伸びました。タイ(177.1%)やミャンマー(78台→1,359台)など、前年の落ち込みからの回復も目立ちます。

🔍 ロシア向け中古車輸出はなぜ5ヶ月連続で首位なのか(7月23,840台・前年同月比139.9%)

主要国の中古車輸出台数の推移
結論: 規制の対象外となる「小排気量・低価格帯」に需要が集中する構造が続いているためです。加えて、第三国経由ルートの縮小やロシア側の関税引き上げスケジュールも、日本からの直接輸出を押し上げていると考えられます。月次推移は1月11,194台→3月19,424台→6月26,272台→7月23,840台で、3月以降は首位を維持しています。

1️⃣ 規制対象外の帯域への需要集中(構造要因)

日本の対露輸出規制(2023年8月〜)の対象は、排気量1900cc超のガソリン車・ディーゼル車、HV・PHV・EV、600万円超の車両です。そのため、1900cc以下の低価格ガソリン車に需要が集中しています。詳しくは5月の分析記事をご覧ください。 japan-carrier


2️⃣ カザフスタン経由の迂回ルートの縮小

2026年4月以降、ユーラシア経済連合(EAEU)の補償的な課税の仕組みによって、カザフスタン経由で輸入するメリットがなくなったと報じられています。第三国経由の流れが日本からロシアへの直接輸出(ウラジオストク向け)に置き換わったことも、統計上の増加の一因と考えられます。 Carawon


3️⃣ リサイクル料の段階的な引き上げを前にした前倒し需要

ロシアでは2026年1月から、リサイクル料(利用料)を2030年まで毎年10〜20%程度引き上げる段階的な改定が始まっています。次回の引き上げ前に輸入を済ませたいという動きが出やすい環境です。 JP Sheet


4️⃣ リスク要因

中国車との競合、日露双方の規制変更、決済ルートの制約は引き続きリスクです。首位の継続を前提にせず、月次で確認することをおすすめします。

🔍 モンゴル向け中古車輸出はなぜ前年同月の2.4倍になったのか(7月8,413台・前年同月比236.5%)

結論: 2025年後半の落ち込み(前年同期のベース効果)と、2026年3月以降に月8,000台前後の巡航ペースへ戻ったことの2つが重なったためです。2025年7月は3,558台と低水準でした。一方、2026年は3月から7月まで5ヶ月連続で7,500台を超えています。

1️⃣ ハイブリッド車の優遇税制という構造的な追い風

モンゴルでは、ハイブリッド車(HEV)が物品税や大気汚染関連の規制で優遇されていることが輸入増加の背景とされています。HEVは国家検査車両の29.9%を占め、ガソリン車に次ぐ2番目の多さです。日本の中古プリウスをはじめとするHEVは、モンゴル市場の主力商品です。 Changing Transport


2️⃣ 堅調なマクロ経済

世界銀行は、2026年のモンゴル経済を5.0%成長と予測しています。 JapanCarrier


3️⃣ 「反動減」の懸念は後退

5月時点では累計が前年同期比88.2%と弱含んでいました。しかし7月には111.9%へ回復し、1〜7月累計50,577台は2025年通年(66,399台)の76%に達しています。


🔍 スリランカ向け中古車輸出はなぜ半減したのか(7月6,113台・前年同月比53.2%)

結論: 前年7月(11,491台)が輸入解禁後の2025年で最多の月だったことによる反動に加え、2026年5月に導入された輸入関税の上乗せとローン規制が需要を冷やしているためです。ただし月次では6,000台前後で底堅く推移しており、1〜7月累計44,363台は前年同期比141.7%と、なお前年を上回っています。

1️⃣ 関税50%上乗せ(サーチャージ)の再導入と延長

2026年5月16日から、関税(CID)に50%を上乗せするサーチャージが再導入されました。ただし、5月15日以前に信用状(L/C)を開設した輸入は対象外です。このサーチャージは、8月14日付の官報で2026年12月31日まで延長されました。 PixampCALCLK


2️⃣ 自動車ローン規制の強化と、登録台数・輸入額の減少

5月25日には自動車ローンの借入比率(LTV)の上限が引き締められました。8月の新規登録台数は前月比13.8%減の45,569台でした。スリランカ中央銀行によると、6月の車両輸入額は1億8,200万ドルで前月から減少しました。2026年上半期の累計は12.5億ドルで、2025年下半期の15.7億ドルを下回っています。 LNW Lanka News WebBusinessnews


3️⃣ 今後の見立て

L/Cの免除措置が切れたことで、年末まではサーチャージ込みの価格で需要を見極める局面になります。年式規制・税額は頻繁に変わるため、輸出前に最新の官報を必ず確認してください。

🔍 UAE向け中古車輸出は回復するのか(7月3,280台・前年同月比17.0%)

結論: 月次では5月283台→6月2,277台→7月3,280台と底打ちの兆しがあります。ただし、ホルムズ海峡が7月中旬に再び閉鎖され、本格回復の見通しは立っていません。1〜7月累計は44,083台(前年同期比29.4%)で、2025年の年間首位(252,637台)からは大きく後退しています。

1️⃣ 6月の「一時的な再開ムード」と7月の再閉鎖

海運業界で危機は収束したとの見方が広がってから約6週間後の2026年7月中旬、ホルムズ海峡は再び閉鎖されたと報じられています。6〜7月の持ち直しは、この「再開ムード」の時期に成約・船積みされた分が中心とみられます。 Vortex Shipping


2️⃣ ジェベルアリ港の取扱量激減と迂回輸送

ジェベルアリ港の2026年第2四半期のコンテナ取扱量は37.4万TEUで、前年同期比80.1%減でした。大手船社は海峡外のホールファカン港やサラーラ港で荷揚げし、湾岸諸港へ積み替えています。その分、輸送日数が7〜14日延びています。 Maritime NewsGreathensen


3️⃣ 9月末時点でも実質閉鎖が継続

9月下旬時点でも、ホルムズ海峡は商業船舶に対して実質的に閉鎖された状態と報じられています。湾岸向けの再輸出ビジネスは、引き続き慎重な判断が必要です。 Straits

📌 信頼できる情報ソース:Maritime News(ジェベルアリ港)/Vortex Shipping

🔍 【注目の小市場】パキスタン向けはなぜ回復しているのか(3月17台→7月2,192台)

結論: 個人輸入ルートが廃止されて一時的に途絶えた後、商業輸入ルートへの移行が進んでいるためです。1〜7月累計は6,755台(前年同期比26.9%)とまだ低水準ですが、月次では4ヶ月連続で増えています。

2026年1月15日の商務省令(SRO 61(I)/2026)により、在外パキスタン人の「パーソナル・バゲージ」制度が輸入政策から削除されました。一方、商業輸入には段階的な緩和が進んでいます。規制関税は2026-27会計年度から40%→30%に引き下げられ、7月からは5年の年式制限も撤廃されたと報じられています。ただし、新たな30%の規制関税が既存の関税に上乗せされるとの報道もあり、情報が錯綜しています。取引の前に最新の省令を確認してください。


🔮 今後の市場予測とビジネスチャンス

1. 年間100万台突破は8月分の公表で見込まれます。 1〜7月累計は993,374台で、100万台まで残り6,626台です。2025年通年(1,708,604台)を上回るかどうかは、UAEの穴をどこまで埋められるかにかかっています。

2. タンザニアは9月前後に2025年通年を超える可能性があります。 累計99,675台は2025年通年(117,489台)の84.8%です。7月は11,578台と前月比で減速しましたが、月1万台以上のペースが続けば更新は射程圏内です。

3. 為替は「想定外の円安継続」です。 年初の大手予想は、年末の円高方向への着地が中心でした(三井住友DSアセットマネジメントは年末150円を予想)。しかし実際には、9月下旬に中東情勢の緊迫化などを背景に158円台後半まで円安が進んでいます。海外バイヤーの買い意欲には追い風ですが、国内オークション相場の高止まりとセットで採算を管理する必要があります。 smd-amoanda

4. 右ハンドル先進国のHV需要に注目です。 オーストラリア・アイルランド・ニュージーランド・英国(累計154.0%)は、単価の高いHV中心の成長市場です。

5. 監視すべきリスク:

  • ホルムズ情勢(UAE・湾岸向け)

  • スリランカのサーチャージ(12月31日まで)

  • パキスタンの関税改定

  • ロシアの規制強化と中国車との競合

中古車輸出の市場選定でお悩みですか?JapanCarrierでは、最新の輸出統計と各国の規制動向を踏まえたご相談を承っています。仕向け国の選定や輸出実務(オークション代行・陸送・輸出抹消・通関・海上保険)については、お気軽にお問い合わせください。

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年7月の日本の中古車輸出先1位はどこですか?

ロシアです。2026年7月は23,840台(前年同月比139.9%)で、3月から5ヶ月連続の首位となりました。2位はタンザニアの11,578台、3位はモンゴルの8,413台です(出典:財務省貿易統計を基にJapanCarrier集計)。


Q2. 2026年7月の中古車輸出台数は前年より減ったのですか?

単月では140,011台(前年同月比93.1%)で、前年を下回りました。ただし、減少分の大半はUAE(▲16,012台)とスリランカ(▲5,378台)によるものです。1〜7月累計は993,374台(前年同期比102.1%)と、前年を上回るペースを維持しています。


Q3. モンゴル向けはなぜ急増しているのですか?

2025年後半の落ち込みからの回復(ベース効果)に加え、2026年3月以降は月8,000台前後の水準が定着しているためです。ハイブリッド車への税制優遇と堅調な経済成長が背景にあります。


Q4. スリランカ向けの中古車輸出はなぜ減ったのですか?

前年7月が2025年で最多の月だった反動に加え、2026年5月16日からの輸入関税50%上乗せ(12月31日まで延長)と、ローン規制の強化が需要を抑えているためです。1〜7月累計では前年同期比141.7%と、なお増加しています。


Q5. UAE向けの中古車輸出は回復していますか?

5月の283台を底に、6月2,277台、7月3,280台と持ち直しの兆しがあります。しかし、前年同月比では17.0%にとどまります。ホルムズ海峡が7月中旬に再び閉鎖されたため、本格的な回復は見通せない状況です。


Q6. 日本の中古車輸出統計はいつ・どこで発表されますか?

一次データは財務省貿易統計(税関)です。当月分の速報は翌月中〜下旬、輸出確報は翌月末頃に公表されます。公表日程は税関の公表予定カレンダーで確認できます。

本記事について

データ集計・執筆:株式会社ジャパン・キャリアー(JapanCarrier)東京都江東区越中島1-2-13 TK門前仲町ビル7F/TEL 03-5875-9239中古車輸出に関わるオークション代行、陸送、輸出抹消事務、通関・シッピング、外航貨物海上保険、自社ヤード(千葉県野田市)を一貫して提供しています。


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