2025年6月|日本の中古車輸出トレンド分析 増減の要因とは?
- fukada93
- 8月9日
- 読了時間: 17分
更新日:9月6日
🌟 2025年5月の中古車輸出動向の統計解析
急増TOP2:マレーシア(+75.2%)、ガーナ(+54.9%)
急減BOTTOM2:モンゴル(-30.6%)、チリ(-30.1%)
背景
マレーシア:ラマダン/ハリラヤ休暇明けの反動需要+再調達の平常化、AP制度下での“リコン車”需要は堅調。 omnihr.coタイムアンドデートmiti.gov.myfreemalaysiatoday.com
ガーナ:セディ高・インフレ鈍化・金融環境の安定が需要を下支え。 ReutersFitch Solutions
モンゴル:2030年からの右ハンドル車輸入制限が7月に正式化。将来見通しの不透明感が消費マインドに影。 GoGo.mn
チリ:原則“中古車輸入禁止(国内向け)で、イキケ(ZOFRI)経由の再輸出中心=月次のブレが大きい。 aduana.cl
いま何が起きている?(全体スナップショット)
中古車輸出台数ボリュームの大きいUAE(20,859台、-2.2%)とロシア(17,615台、+9.2%)が依然“アンカー市場”。ロシア側では極東・ウラジオストク通関での個人輸入が前年同期比+20%と強く、玉の引き合いは高水準。


🔍 マレーシアの中古車輸入が急増した要因
🏆 1位:マレーシア(+75.2%)
💡 なぜ急増?
1) 短期ドライバー(4→5月の+75.2%の背景)
季節要因の反動増:2025年のハリラヤ・アディルフィトリ(断食明け)は3/31–4/1。4月は稼働日減・登録/港湾の処理低下→5月に繰り越し需要が一気に表面化しやすい。マレーシア自動車工業会(MAA)も4月の販売鈍化を“Raya休暇による稼働減”と明確に示唆。PublicHolidays.com.myMalay Mail
AP(Approved Permit)周辺の“間口拡大”効果:2024/7/1からブミプトラ企業なら他業種でもOpen APの申請可。AP制度は継続方針で、APホルダーの裾野拡大=再調達の機動性↑に寄与(2025年時点も制度維持)。Paul Tan's Automotive News+1BERNAMAmiti.gov.my
2) 価格・資金調達の地合い
円建て仕入れの相対優位:H1 2025のJPY/MYRは概ね0.028〜0.031レンジで推移(歴史的に見て円の弱さが続く局面)。MYR建てのFOBコストは抑えやすい環境が続き、リコン(recon)車の引き合いを底上げ。エクスチェンジレートズ UK
資金調達:OPR(政策金利)は7/9に3.00%→2.75%へ初の利下げ。これは6月後(7月)の決定だが、Q3以降の融資条件の緩み=仕入れ/小売の回転に前向き。マレーシア中央銀行Reuters
3) 需給の“中身”と商材の当たり所
実需の柱:大型MPV(Alphard/Vellfire)は依然、中古・リコン市場の主力。公式CBUの価格帯が高止まりする中で、年式/グレード次第でリコンの価格優位が成立しやすい。→20年式以降/低走行/整備記録明確の玉は回転が速い。Paul Tan's Automotive News+1
品質・保証の期待値:高額帯では“正規 vs リコン”の保証・保険適合・充電規格(EV)まで比較検討が一般化。輸出側は保証条件/適合情報の明示で不安を潰すのが成約率を押し上げる。Paul Tan's Automotive News
4) オペレーション/規制の最新論点
港湾:6月時点のPort Klangは混雑(平均1.9〜3日待ち、ヤード高密度)。バンチングによる遅延が散発→到着ウィンドウの前倒し確保と迂回航路/積替の余裕取りが安全。Explorate+1myKN
検査体制:7月に入って所有権移転系検査(MV15)の事業者が複数社化。PUSPAKOM一極からの分散で処理能力の増強=通関〜登録リード短縮に期待(2Hの運用面)。Malay Mail
制度の先行き:AP制度は当面維持の政府立場が明確。24年のOpen AP申請の開放以降、PEKEMAは年間配分の増枠も要望しており、枠制約の緩和トレンドは継続テーマ。Paul Tan's Automotive News+1
5) 6月運用の“実務ポイント”
配船:Port Klangの遅延を織り、CYカット前倒し+ブッキング複線化。遅延が3日出る前提で納期提示。Explorate
商材:右H/MPV・SUV軸で、年式2019+・走行5〜6万km未満・整備記録完備の“即売帯”を厚く。
開示:整備履歴・事故歴・鑑定を日本側で英語化→保証条件(消耗品・電装)を明示。高額帯は特に重要。Paul Tan's Automotive News
価格転嫁:為替が振れても、JPY/MYRの月内バンドを提示して見積の有効期限を短めに設定。エクスチェンジレートズ UK
まとめ(結論)
4→5月の+75.2%は、Raya反動+AP周りの供給機動性+円安圏が重なった取りやすい月だった、と位置づけるのが妥当。7月の利下げでQ3の需要地合いも追い風。6月以降は港混雑・与信見通しを織り込み、高回転帯MPV/SUV×透明な品質開示で取り切るのが最適解です。
🔍 ガーナの中古車輸入が急増した要因
🏆 2位:ガーナ(+54.9%)
💡 なぜ急増?
エグゼクティブ・サマリー
6月のガーナ向けは+54.9%と大幅増。背景は①マクロ安定(セディ高+ディスインフレ)、②通関評価の運用は厳格化継続だが為替効果で実効負担が緩和、③港湾処理能力の底上げ、④法規は“サルベージ車の禁止”が定着――の4点。商品はLHDのセダン/SUV/ピックアップで回転が速い。RHDは原則不可(大臣裁量の特例+LHD化前提)のため、案件設計に注意。Reuters+2Reuters+2gra.gov.gh+1WorldCargo News
1. マクロ環境:購買力の実質改善
通貨:セディが年初来で急伸(5月末時点で対USD+40%超)。中央銀行のドル供給とオフショア資金流入が下支えし、6–7月も10.2〜10.3/US$の安定帯に。CIFと関税・付帯税のGH₵換算負担が軽くなり、仕入れ意思決定を後押し。Reuters+3Reuters+3Reuters+3
物価:インフレは6月に13.7%(前月18.4%から急低下)で2021年末以来の低水準。7月は12.1%まで鈍化。家計・販売金融の双方でセンチメントが改善。statsghana.gov.gh+1Reuters
金利:中銀は7/30に政策金利を300bp引き下げの25.0%へ。6月実需の追い風ではないが、Q3の回転速度を高めるファクター。Bank of GhanaReuters
示唆:為替・物価の二大リスクが緩み、“買える&捌ける”環境が戻っている。
2. 通関・制度:評価は厳格、ただし“計算式”は読みやすい
ICUMS(UNIPASS)でVIN等から課税見積りが可能。前例踏襲の“相場勘”に頼らず、案件前の概算提示を短時間で固められる。gra.gov.ghUnipass Ghana
“ベンチマーク割引”は2023年に全面撤回(車両10%割引も廃止)→評価の裁量幅が縮小。為替次第だが、“読み筋”は立てやすい。MyJoyOnlinegra.gov.gh
サルベージ車の輸入禁止は2020年法で制度化・運用定着。10年超の“特定車種”禁止規定も法文上は整備され、施行日は大臣が指定する枠組み。案件選別で事故歴・修復歴の透明化は必須。Graphic OnlineFAOLEX
示唆:“VINで見積もる→事前合意→通関短縮”の型を徹底。事故歴NG、年式要件は最新告示の確認をルーティン化。
3. 物流:テマ港の処理能力は拡張トレンド
テマ港(MPSターミナル3)の近代化が進展、拡張フェーズは2025年9月完了予定。RoRo/自走のヤード効率が改善しやすい地合い。WorldCargo Newsafricaports.co.za
示唆:CYカットの前倒しと船足の複線化で、バンチング遅延を吸収。
4. 車両要件:LHD前提、RHDは“特例+LHD化”
右ハンドル車は原則不可。大臣裁量の特例許可はあるが、入国後は解体→LHD化が前提。日本国内RHD在庫をそのままはリードタイム・コストともに非効率。gra.gov.gh
示唆(商品)
LHDの即戦力:カムリ/カローラ/ハイラックス/プラド/RAV4等のUS/EU/中東スペック。
価格帯:FOB中〜低価格帯の高回転ゾーンを厚く(台数×回転で粗利確保)。
品質開示:修復歴なし/整備記録/主要消耗品の残量を英語で明示(通関&二次販売で強い)。
5. 需要サイドの実像(短期~四半期先)
6. 仕入・販売プレイブック(実務チェックリスト)
LHD確保:US/EU/中東ソースを軸に。RHDは特例→LHD化の工程とコストを織込。gra.gov.gh
VIN起点の課税見積:ICUMSで前広に試算→見積有効期限を短めに設定。gra.gov.gh
品質の可視化:事故歴無/整備履歴/消耗品を英語化。サルベージ相当は不可。Graphic Online
為替ヘッジ:見積はUSD建て+GH₵換算レンジ提示。セディ変動に応じ価格改定条項を明文化。Reuters
配船管理:テマ港のウィンドウ確保とバンチング対策(ブッキング複線化/カット前倒し)。WorldCargo News
7. リスク・ウォッチ
政策変更(中古年式・環境要件等):告示の“発効日”に注意(10年超の扱いは大臣指定の日付で発効)。FAOLEX
通関評価の厳格運用:ベンチマーク割引撤回後は裁量の余地縮小=事前見積の精度が勝負。gra.gov.gh
参考ソース(主要ファクトの一次情報)
為替・金利・物価:セディ上昇(+40%超)、6月CPI=13.7%、政策金利25.0%(7/30)。Reuters+2Reuters+2
通関・制度:ICUMS(VIN評価)、ベンチマーク割引撤回(2023/1/1)、サルベージ車輸入禁止。gra.gov.gh+1MyJoyOnlineGraphic Online
港湾:テマ港拡張(MPS T3、2025/9完了予定)。WorldCargo News
RHD規制:原則不可(特例は大臣裁量、LHD化前提)。gra.gov.gh
産業政策:Ghana Automotive Development Policy(中古依存低減の方向性)。
8) まとめ(結論)
市況認識:セディ高+ディスインフレで実需が回復、7月の利下げでQ3の回転も後押し。短期は“買える・捌ける”地合い。
商品戦略:LHD前提で、Camry/Corolla/RAV4/Hilux/Prado 等のUS/EU/中東スペックに厚み。中〜低価格帯の高回転ゾーンを主軸に。
コンプラ/品質:サルベージ車は不可。事故歴なし/整備履歴/主要消耗品の残量・交換歴を英語で可視化(通関・二次販売で効く)。
見積・為替:VIN起点でICUMS概算→事前合意を標準化。USD建て+GH₵換算レンジ、為替条項付きの短期有効で価格ぶれを抑制。
物流運用:テマ港のバンチング対策としてCYカット前倒し+ブッキング複線化。ウィンドウ確保を計画前提に。
リスク監視:通関評価の厳格運用、年式/環境規制の告示と“発効日”、為替急変を週次モニタ。
KPI設計:一次通関通過率、在庫回転日数、見積→発注リードタイム、粗利率、為替スリップ(見積値 vs 実行値)。
90日アクション:①LHD調達チャネル拡張、②ICUMS見積テンプレ整備、③英語版品質シート標準化、④為替レンジ運用の社内ルール化、⑤現地ニュースと告示の週次レビュー体制を確立。
🔍 モンゴルの中古車輸入が急減した要因
❌ 1位:モンゴル(-30.6%)
💡 なぜ急減?
エグゼクティブサマリー
下振れの主因は“政策シグナル”と“需要の質の転換”。右ハンドル(RHD)車の2030年6月1日からの輸入禁止法案が国会審議に入り与党多数で可決見込みと現地報道。買い控え/在庫抑制が前倒しで出た可能性が高い。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
都市側の受け皿制約:ウランバートルは交通混雑対策でナンバープレート上限や輸入抑制の必要性を公式に言及しており、需給の波を増幅。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
LHDシフトの競合環境:中国・内モンゴル発の越境中古車オークションが稼働。Mongolia向けLHD供給チャネルが整い、RHD中心の日本発に構造的圧力。China Daily Government Services
マクロ:インフレは8%台まで鈍化し、資金面のボトルネックはやや緩和。ただし政策金利は依然2桁で、与信はタイト。Монгол Улсын Төв Банк+1
1) 規制の“決定打”:RHD輸入原則禁止(2030/6/1〜)
現地大手メディアNews.mn:「2030年6月1日からRHD車の輸入禁止」を盛り込む法案が国会で可決見込み。交通事故のRHD関与率が高い(地方道で74.4%)等の根拠を提示。過去の政権も制限を試みてきたが、今回は支持が拡大。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
政府系/公的筋の過去発信でも、RHD輸入の段階的制限を長年の方針として示唆。単発ではなく一貫トレンド。montsame.mnmontsame.mn
解釈:市場は“RHDの時間価値”が縮むと織り込み始めている。RHD在庫の積み増しより、LHDへの事前転換に舵を切る動きが出やすい=当面の発注・船積みが鈍るのは自然。
2) 都市側の“受け皿”制約:ウランバートルの渋滞政策
ウランバートル市は渋滞抑制へ輸入制限の必要性を繰り返し表明。登録番号の上限(目安730k)など、受け入れキャパの議論が続く。輸入台数の波を行政判断が増幅し得る構造。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
示唆:配送タイミングの固め打ちが難化。港→国境→登録までのリードタイムを月次で“短めに見積もる”運用が必要。
3) 競争地図の変化:LHD供給の“近場化”
中国・内モンゴルの越境中古車オークションがモンゴル直撃の越境動線を整備。通関・検査・決済まで一気通貫のUXをうたい、LHD在庫のアクセス性が急上昇。China Daily Government Services
示唆:モンゴル向けで「RHD(日本) vs LHD(中国/欧米)」の比較優位が可視化。日本発RHDの価格優位だけでは勝ち切りにくい局面が増える。
4) マクロの地合い:悪化ではなく“質的調整”
インフレ鈍化(5月8.3%/7月8.1%)で実勢は改善基調。ただし政策金利は12%(6/13時点)と与信は締まり気味。「買えない」より「何を買うか」での選別が強まる。Монгол Улсын Төв Банк+1トレーディングエコノミクス
5) 商材の“当たり所”とNGライン
当たり所:LHDのSUV/ピックアップ/セダン(寒冷地パッケージ・足回り強化)。中国・欧州・中東ソースを活用。
NG:事故歴/サルベージ相当は現地販売で嫌われる上、RHD→LHD改造は安全・規格適合リスクが高い。正規LHDで勝負。(政策資料でもR/L改造研究はあるが、適合ハードルは高い)。ITF
6) オペレーション・プレイブック(60–90日)
発注設計:LHD配分を前倒し増。RHDは短サイクル回転に限定。
価格提示:CIF→通関→登録の全コストを“遅延3〜5日込み”の前提で見積り、見積有効期限は短めに。
在庫PR:寒冷地実用データ(始動性、HV/EVの冬季レンジ、足回り)を英語化して提示。
販路:内モンゴル経由LHDと日本発RHDを案件別に使い分け。比較表で顧客に腹落ちを作る。China Daily Government Services
与信:買い手の支払サイト短縮と内金割合↑を交渉。金利高止まり下で在庫回転日数を死守。Монгол Улсын Төв Банк
7) リスク&監視
法案の最終成立・施行細則(輸入禁止の適用範囲、経過措置、既存RHDの扱い)。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
都市側の追加規制(登録・課税・走行制限の強化)。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалж
LHD競合の値決め(内モンゴル発の実需価格)。China Daily Government Services
8) まとめ(結論)
今回の-30.6%は、需要崩壊ではなく「RHD離れの助走」。政策の既定路線化(RHD輸入禁止法案)とLHDの近場化が意思決定を塗り替えた。News.MN - Мэдээллийн эх сурвалжChina Daily Government Services
勝ち筋は“LHD×寒冷地適合×透明な品質”。事故歴なし・整備履歴明示を標準化し、見積は短期有効/納期は遅延込みで運用。
RHD在庫は回転で捌く。中長期はLHD調達チャネルの強化と与信・在庫KPI(回転日数・一次通関通過率)で“取り切る”。
🔍 チリの中古車輸入が急減した要因
❌ 2位:チリ(-30.1%)
💡 なぜ急減?
エグゼクティブサマリー
下振れのコア要因は“市場構造”:チリ本土は中古車の一般輸入を原則禁止(例外のみ)で、イキケの自由貿易地(ZOFRI)経由の再輸出が主導──このため案件の“寄せ”(月ズレ)で月次の振れ幅が大きくなりやすい。bcn.claduana.cl+1
マクロ環境は足元でやや不安定:6月のCPIは-0.4%と一旦低下→7月は+0.9%で再加速、中銀は7/29に政策金利を4.75%へ25bp引下げ(初の年内利下げ)。購買力・与信の「読み」は改善寄りだが、短期の需給は変動的。ine.gob.clReutersFocusEconomics
実務示唆:ZOFRI起点の再輸出先(ボリビア等)の規格・時期に合わせて配船と在庫の“塊”管理を強化。国内向け(チリ本土)への中古直輸入を前提とした設計は不可。www2.aladi.orgzofri.cl
1) 市場の“構造リスク”を正しく理解する
法制度(本土向け):自動車統計法に基づく法第18.483号・第21条等で、中古車(自動車・二輪・トラック)の輸入は原則禁止。2014年の財務省通達「Oficio 6613」でも「輸入できるのは“未使用車”のみ」と明言。例外(外交・障がい者、帰還邦人の特例Partida 00.33、クラシック等)はあるが狭い。nuevo.leychile.clbcn.claduana.cl
ZOFRI(イキケ自由貿易地):ゾーン内の貨物は“国外同等”の扱いで保管・加工・再輸出できるのが基本設計。再輸出先(ボリビア/パラグアイ等)に向けたゲートとして機能しており、月次の積み上がり→一括出庫のような“塊の動き”が発生しやすい(月間ボラの主因)。※これは制度・運用からの当方の推論。aduana.clzofri.clepi.cl
2) 今月の-30.1%は“需要崩壊”ではなく案件の偏り
チリ本土の需要でなく、再輸出用の発注/通関/峠越え(アタカマ〜アルトプラノ)物流のタイミングがまとめてズレるだけで、月次は±30%級に振れる。ZOFRIは南米北部への中継拠点であり、再輸出マーケットの休日・税制・為替の動きに月次が影響を受けやすい。zofri.cl
3) マクロ環境(足元)
物価:2025年6月CPI -0.4%(YoY 4.1%)→7月は+0.9%(YoY 4.3%)で再上振れ。インフレ目標レンジ(2〜4%)をやや上回るが、トレンドは沈静化方向。ine.gob.clReuters
金利:中銀は7/29に4.75%へ25bp利下げ。与信の重石がやや軽くなり、在庫回転の地合いは改善。但し次の判断はデータ次第と示唆。FocusEconomics
4) 規制・実務の“落とし穴”
5) 商材の当たり所(再輸出前提)
左H/LHD基準:再輸出先(ボリビア等)の年式・排ガス・改造ルールに合わせる。RHDからの改造は先方で追加工程・適合リスクが大きい。aduana.gob.boibmetro.gob.bo
価格帯:FOB中〜低価格帯の回転セグメントが厚い。ハイラックス/RAV4/カローラ系は案件が組みやすい。
6) オペレーション(60–90日プレイブック)
配船設計:ZOFRIヤード入庫→再輸出通関の“塊”を前提にバッファ7–10日。港湾・道路事情で一括偏りが出ても納期を守れる設計に。※「月末寄せ」回避のためCYカットの前倒し推奨(当方の運用提案)。epi.cl
見積:CIF→ゾーン費用→再輸出費用まで一連コストを分解。見積有効期限短め+為替条項で価格ぶれを抑える。
規格適合:再輸出先の法規(年式・排ガス・安全・LHD)をVIN起点で照合。事故・サルベージ相当は入札段階で除外。
在庫の塊管理:現地パートナーと週次で案件マトリクスを更新(到着・通関・越境・引渡の4ステータス)。
7) リスク & モニタリング
政策変更の芽:本土の中古輸入原則禁止は長期トレンド。例外の運用範囲やゾーンの扱いは通達で微修正が出るため官報・通達を定点観測。nuevo.leychile.cl
再輸出先の規制:ボリビア側の技術要件・右→左改造規制など先方法令を月次アップデート。aduana.gob.bo
マクロ:CPI再加速(7月)やMPRの今後で需要・為替が揺れる可能性。見積の“短期有効”は継続。ReutersFocusEconomics
8) まとめ(結論)
国名 | Country name | 5月 | 6月 | 増減割合 |
ロシア | RUSSIA | 16,125 | 17,615 | 9.2% |
アラブ首長国連邦 | UAE | 21,333 | 20,859 | -2.2% |
モンゴル | Mongolia | 5,308 | 3,686 | -30.6% |
タンザニア | Tanzania | 8,500 | 7,443 | -12.4% |
ニュージーランド | NEW ZEALAND | 6,019 | 6,811 | 13.2% |
バングラデシュ | BANGLADESH | 2,050 | 1,522 | -25.8% |
フィリピン | PHILIPPINE | 3,513 | 3,580 | 1.9% |
タイ | Thailand | 5,888 | 5,627 | -4.4% |
ケニア | KENYA | 7,373 | 5,623 | -23.7% |
ジャマイカ | JAMAICA | 2,971 | 4,025 | 35.5% |
南アフリカ共和国 | SOUTH AFRICA | 5,786 | 4,897 | -15.4% |
マレーシア | MALYSIA | 2,246 | 3,934 | 75.2% |
チリ | CHILE | 5,816 | 4,065 | -30.1% |
ウガンダ | Uganda | 2,689 | 3,116 | 15.9% |
オーストラリア | AUSTRALIA | 1,692 | 1,686 | -0.4% |
ザンビア | Zambia | 1,270 | 1,666 | 31.2% |
英国 | United Kingdom | 2,566 | 2,508 | -2.3% |
アメリカ合衆国 | United states of america | 1,552 | 1,412 | -9.0% |
モザンビーク | Mozambique | 1,149 | 1,175 | 2.3% |
ガイアナ | Guyana | 2,223 | 2,567 | 15.5% |
コンゴ民主共和国 | Democratic Republic of the Congo | 1,170 | 1,185 | 1.3% |
アイルランド | Ireland | 1,046 | 1,226 | 17.2% |
ミャンマー | Myanmar | 204 | 163 | -20.1% |
ナイジェリア | Nigeria | 2,173 | 2,939 | 35.3% |
ジョージア | Georgia | 1,293 | 1,199 | -7.3% |
フィジー | Fiji | 767 | 632 | -17.6% |
ガーナ | Ghana | 1,824 | 2,826 | 54.9% |
シンガポール | SINGAPORE | 148 | 189 | 27.7% |
Zimbabwe | 1,102 | 1,108 | 0.5% | |
バハマ | Bahamas | 969 | 911 | -6.0% |
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Q&A(2025年6月・中古車輸出まとめ)
Q1. 2025年6月に伸びた国TOPは?
A. マレーシア(+75.2%)、ガーナ(+54.9%)です。季節要因・制度面・為替(円安寄り)・現地金融環境の改善が重なりました。
Q2. 減少が大きかった国は?
A. モンゴル(-30.6%)、チリ(-30.1%)。モンゴルは将来のRHD制限シグナル、チリはZOFRI経由の再輸出案件の“塊”挙動が主因です。
Q3. マレーシアが伸びた理由は?
A. ラマダン/ハリラヤ後の繰越需要、AP制度下での再調達の平常化、円安圏でのFOB妙味、港湾の運用改善が重なりました。MPV/SUVの高年式・低走行が回転速いです。
Q4. ガーナ増加の背景は?
A. セディ高・ディスインフレで実購買力が改善。7月の中銀利下げもQ3の回転に追い風。LHD前提、VINベースの評価見積で事前合意を固めるのが基本です。
Q5. ガーナ向けのRHD/LHD要件は?
A. 原則RHDは不可(特例はあるが実務はLHD前提)。サルベージ(事故修復)車はNG。品質情報(事故歴なし・整備記録・消耗品)を英語で明示しましょう。
Q6. モンゴルが落ちた理由は?
A. 2030年からのRHD輸入制限の既定路線化で買い控え・在庫抑制が先行。都市側の渋滞対策も受け皿を絞り、LHDシフトが進む中、中国・欧州ソースのLHDが競合化しています。
Q7. モンゴル向けで通る商材は?
A. LHDのSUV/ピックアップ/セダン。寒冷地適合(ヒーター、バッテリー、足回り)と冬季実用データを提示すると強いです。
Q8. チリの-30.1%は需要悪化?
A. いいえ。本土は中古車の一般輸入が原則不可。数字の多くはイキケ(ZOFRI)経由の再輸出で、案件の“寄せ”で月次ブレが大きくなります。
Q9. チリ経由でやらかしがちなNGは?
A. 「ゾーン内OK=本土OK」と誤解すること、再輸出先(例:ボリビア)の年式/排ガス/LHD要件の見落とし、RHD改造のコスト・適合軽視です。
Q10. 6月時点の実務アドバイス一言は?
A. マレーシア/ガーナ=高回転帯を厚く、モンゴル/チリ=規制と再輸出設計を先に固める。見積は短期有効+為替条項、配船はCYカット前倒しでバッファを持つ。
Q11. 人気・回転の良い車種は?
A. マレーシア:ハイブリッドMPV/SUV(例:Alphard/Vellfire, RAV4 等)。ガーナ:カムリ/カローラ/ハイラックス/プラドなどのLHD。いずれも整備記録の透明化が成約の鍵です。
Q12. 90日でやるべきことは?
A. ①LHD調達チャネル拡張、②VIN起点の税計算テンプレ整備、③英語版品質シート標準化、④為替レンジ運用ルール化、⑤現地告示・港混雑の週次レビュー。
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