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2025年3月版:日本中古車輸出の新潮流—多元要因が生む機会とリスク

  • fukada93
  • 4月27日
  • 読了時間: 5分



はじめに:市場の「表」と「裏」を捉える


3月の日本中古車輸出台数は、単なる増減率では説明できないドラマを内包しています。為替の揺れ、関税・規制の波、EVシフト、さらにはサプライチェーンの課題……。これらが国別にどう絡み合い、新たなビジネスチャンスを生み、また警鐘を鳴らすのか。

本記事では 10の切り口 で要因を解剖し、あなたの次の戦略を後押しする「示唆」を抽出します。



3月の中古車輸出台数のグラフ


2月から3月の中古車輸出台数の増減割合


1. マクロトレンド:数字だけでは見えない“動力源”

国名

増減率

主な要因

ロシア

+38.2%

ルーブル安×日本品質信頼×整備ネット拡充

UAE

+14.0%

再輸出ハブ機能×リセール市場の成熟

ジャマイカ

+112.9%

PPV規制緩和×観光復興

米国

−27.2%

25%関税×オートローン金利上昇

ミャンマー

−18.8%

中国EV流入×登録手続き停滞

ポイント 数字は「結果」であり、要因は「プロセス」。 それぞれの国で何が「引き金」となったのかを押さえ、的確な対策を打つことが成功への近道です。


2. 深掘り10要因で見る国別インサイト


  1. ルーブル安(ロシア)

    • 1USD=115ルーブルに円高が拍車をかけ、中古車価格が20%超下落。

    • 示唆:為替オプションでリスクをロックしつつ、割安感を前面に押し出したプロモーションを実施。


  2. 現地整備ネット拡充(ロシア)

    • トヨタ系ディーラーに続き、中古車専門工場も台数対応を増強。

    • 示唆:アフターサービス連携を強化し、保証延長プランを打ち出せば「日本品質」の価値をさらに高められる。


  3. 再輸出ハブ機能(UAE)

    • ドバイ港経由でアフリカ・中央アジアへ二次輸出。マージン取りやすい仕組みが確立。

    • 示唆:UAE在庫を一元管理し、リアルタイム転売機会を逃さない在庫配信システムを導入しよう。


  4. リセール市場成熟(UAE)

    • CarSwitchなどWebオークションの普及で売買がスムーズに。

    • 示唆:現地プラットフォームとAPI連携し、問い合わせから商談までの時間を半減させるDX施策を実行。


  5. PPV規制緩和(ジャマイカ)

    • PPV(公共旅客車両)の年式制限が15年→10年に。バス・タクシー業者が一斉買い替え。

    • 示唆:PPV事業者向けパッケージとして、車両+メンテナンス+ファイナンスをセット販売し、高単価契約を狙う。


  6. 観光復興(ジャマイカ)

    • 「Excellent move」と現地報道が称賛。ツーリスト向けレンタカー需要も同時拡大。

    • 示唆:観光事業者と提携し、長期レンタルモデルを企画。サブスクリプション型収益を確保。


  7. 高関税(米国)

    • 25%関税で輸入価格が急騰。4月以降も冷え込みが続く見込み。

    • 示唆:CKD(部品輸出・現地組立)スキームを北米で実験導入し、関税コストを削減するPOCを早急に。


  8. 金利上昇(米国)

    • 政策金利0.25pt引き上げでオートローン金利6.3%に。購入ハードルが上昇中。

    • 示唆:低金利ローンをパートナー銀行と協業で提供し、価格以外の付加価値で差別化。


  9. 中国EV流入(ミャンマー)

    • BYDなどFTA活用で価格競争力抜群。EV志向の若年層が急速にシフト。

    • 示唆:日本車EV/PHVラインナップを強化し、補助金情報を含むマーケティングを展開。


  10. 登録手続き遅延(ミャンマー)

    • 半年待ちケースも。官公庁の動きが不透明。

    • 示唆:登録代行サービスを現地JVで立ち上げ、入力~検査~認証のワンストップ提供で顧客囲い込み。



3. ケーススタディ:さらなる注目×リスク市場


✔ タンザニア(+2.7%)

  • 鉄道・港湾整備投資:中国主導でインフラ刷新。

  • 商用車需要上昇:農村~都市間物流フェーズ2開始。

アクション:現地港湾オペレーターと協業し、複数の陸送ルートを組み合わせた物流ソリューションを提案。

✔ ナイジェリア(+71.5%)

  • OPEC収益増で富裕層が拡大。

  • デジタル決済普及(Pagaなど)で購買スピードが加速。

アクション:WhatsApp商談×即時オンライン決済のOMO法人向けセールスモデルを構築し、リードタイムを大幅短縮。

✖ マレーシア(−13.7%)

  • CO₂排出権制度検討:ガソリン車逆風の可能性。

  • 低金利ローン枠縮小:商用車リースが縮小。

対策:ハイブリッド車比率を上げ、CO₂クレジットスキームと連携したサステナビリティ提案で競合と差別化。

✖ バングラデシュ(−10.7%)

  • 大都市渋滞で物流コスト増

  • インド製軽EV台頭で価格優位性を奪われる。

対策:軽トラック・軽商用のEVを日本から導入し、燃料コスト削減メリットを前面に出す。


4. 実践的アクションプラン(総まとめ)


  1. 為替・関税リスクヘッジ

    • ルーブル、ナイラのオプション活用

    • 関税国向けバルク契約によるインボイス分割


  2. 製品MIX再構築

    • 新興国向けEV/PHV強化

    • 逆風国向けCKDモデル導入PILOT


  3. DX販促&OMO戦略

    • CarSwitch/Paga API連携

    • WhatsApp、SNSインフルエンサー活用事例


  4. JV/合弁による上下流統合

    • ジャマイカPPVファイナンスJV設立

    • ミャンマー登録代行&アフターサービスJV



5. 結論:成功の3条件


  1. 多元リスクをリアルタイム監視し、先手ヘッジを仕掛ける。

  2. サステナブルな製品ポートフォリオ(EV含む)で市場変化に適応。

  3. デジタル&リアルの融合(OMO)で顧客接点を高速化・深化。


このレポートが、あなたの市場攻略の羅針盤となることを願っています。




国名

Country name

2月

3月

増減割合

ロシア

RUSSIA

10,910

15,083

38.2%

アラブ首長国連邦

UAE

21,088

24,037

14.0%

モンゴル

Mongolia

8,817

9,342

6.0%

タンザニア

Tanzania

8,625

8,854

2.7%

ニュージーランド

NEW ZEALAND

6,524

6,942

6.4%

バングラデシュ

BANGLADESH

2,618

2,338

-10.7%

フィリピン

PHILIPPINE

3,434

4,086

19.0%

タイ

Thailand

4,904

4,578

-6.6%

ケニア

KENYA

5,972

5,585

-6.5%

ジャマイカ

JAMAICA

1,673

3,562

112.9%

南アフリカ共和国

SOUTH AFRICA

5,076

5,507

8.5%

マレーシア

MALYSIA

5,363

4,627

-13.7%

チリ

CHILE

8,965

8,077

-9.9%

ウガンダ

Uganda

3,001

4,089

36.3%

オーストラリア

AUSTRALIA

1,359

1,666

22.6%

ザンビア

Zambia

1,636

1,531

-6.4%

英国

United Kingdom

1,917

1,775

-7.4%

アメリカ合衆国

United states of america

1,406

1,024

-27.2%

モザンビーク

Mozambique

985

1,861

88.9%

ガイアナ

Guyana

1,014

1,758

73.4%

コンゴ民主共和国

Democratic Republic of the Congo

1,415

1,301

-8.1%

アイルランド

Ireland

1,287

1,130

-12.2%

ミャンマー

Myanmar

2,584

2,099

-18.8%

ナイジェリア

Nigeria

1,393

2,389

71.5%

ジョージア

Georgia

1,215

1,345

10.7%

フィジー

Fiji

508

476

-6.3%

ガーナ

Ghana

1,189

1,858

56.3%

シンガポール

SINGAPORE

314

345

9.9%

ジンバブエ

Zimbabwe

1,195

1,038

-13.1%

バハマ

Bahamas

538

806

49.8%



Thank you for your continued support of Japan Carrier.


The Japan Carrier Team

 



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