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【2025年版】UAE中古車輸出の全貌:解体市場が生む新たなビジネスチャンス

UAE(アラブ首長国連邦)は、中古車輸出において「解体型ビジネスモデル」が大きな役割を果たす市場です。単なる車両販売ではなく、輸入車両を解体し、部品を世界中に再販・再輸出するこの仕組みは、ビジネスチャンスに溢れています。本記事では、具体的な部品の取引価格、輸送コスト、レギュレーション、成功戦略を掘り下げ、最新情報をお届けします。

(※この記事の情報は2024年11月時点のデータを基にしています。)


1. UAE中古車市場の本質:「解体型ビジネスモデル」の魅力

UAEは日本やアメリカからの中古車輸出先として人気ですが、その多くが現地で解体され、部品として再販・再輸出されています。この「解体型ビジネスモデル」は、環境対応と収益性の両面で注目されるビジネスです。


主なプロセスとポイント

  1. 車両輸入: 使用済み車両や事故車が中心で、特に日本車の品質が市場で高く評価されています。

  2. 解体と部品抽出: エンジン、トランスミッション、電装部品、ボディパーツに分解され、それぞれが市場で独自の価値を持ちます。

  3. 部品の販売と再輸出: 部品は主にアフリカ、中東、南アジア市場で高い需要があります。ナイジェリアやケニアでは、トヨタや日産など日本車の部品が特に人気です。


2. 解体市場:シャルジャのリアルと取引価格

市場規模と特徴

  • 取引量: 年間で数十億ドル規模の取引が行われています。

  • 主要部品: エンジン、トランスミッション、ボディパーツが高い需要を持つ。

  • 主要取引先: アフリカ、南アジア諸国。

パーツの具体的な取引価格(2024年実績)

  • エンジン

    • トヨタ・カムリ(2.5Lガソリンエンジン): 約800~1,200ドル

    • 日産・パトロール(V6エンジン): 約1,500~2,500ドル

    • トヨタ・ハイエース(ディーゼルエンジン): 約1,000~1,800ドル

  • トランスミッション(AT)

    • トヨタ・ランドクルーザー: 約800~1,400ドル

    • 日産・セントラ: 約500~900ドル

  • ボディパネル

    • トヨタ・カローラのドアパネル: 約150~300ドル

    • ホンダ・シビックのフロントバンパー: 約200~350ドル

  • 電装部品

    • エアコンコンプレッサー: 約100~250ドル

    • ECU(エンジンコントロールユニット): 約300~600ドル


      参考:表1.日本から輸入されている主な部品と構成比

取引の動向

シャルジャでは、日本車の部品が高価格で安定した需要を持っています。特にエンジンやトランスミッションは高い利益率を誇り、取引の中心となっています。これらの部品はアフリカ諸国(ナイジェリア、ケニアなど)で特に高い需要があります。


実際の取引例

シャルジャ市場では、トヨタ・ランドクルーザーのエンジンとトランスミッションがセットで4,000ドルを超える価格で取引されることもあり、高収益商品として注目されています。一方で、電子部品やセンサー類も安定した需要があります。


3. レギュレーション:成功への道を切り開くための鍵

3-1. 輸入規制

UAEの中古車輸入は、以下の厳格な規制に基づいています:

  • 製造年制限: 製造から10年以内の車両のみ輸入可能。

  • 排ガス基準: Euro 4以上。特にディーゼル車は注意が必要。

  • ハンドル位置: 左ハンドル車のみ登録可能。


3-2. 必要書類

  • インボイスと原産地証明書: 車両の価格と出所を示す重要書類。

  • 輸入許可: UAE政府の認可を受けた業者が必要。

  • 車両検査証明書: 到着後、RTA(Roads and Transport Authority)で追加検査が求められる場合があります。


3-3. 関税と付加価値税(VAT)

  • 関税: 車両価格の5%。

  • VAT: 車両価格の5%。登録時にも適用されます。


4. 日本からUAEへの輸送詳細

4-1. 輸送コスト

  • RO-RO船(車両専用船): 一般的な乗用車1台あたり約10万円~20万円

  • コンテナ船(20フィートコンテナ): 約20万円~30万円。複数台をまとめて輸送することで1台あたりのコストを削減可能


4-2. 所要時間

  • 海上輸送: 横浜港からジュベルアリ港まで約20~30日

  • 通関手続きと内陸輸送: 追加で数日~1週間


4-3. 注意点

輸送コストは燃料価格や為替の影響を受けるため、定期的に見積もりを取得することが重要です。また、輸送中のリスクに備えて保険加入が必須です。


5. ビジネス成功のための戦略

  1. 輸送効率の最大化: 車両のサイズや状態に応じてRO-RO船とコンテナ船を使い分ける。

  2. 環境対応の強化: 解体時の廃棄物管理を徹底し、UAEの環境規制に対応する。

  3. 現地パートナーの選定: シャルジャやドバイで信頼できる業者と連携し、安定した取引関係を構築する。

  4. 市場動向の把握: 日本車部品の需要データや取引価格の変動を定期的に確認する。


まとめ:UAE市場での中古車輸出ビジネスを成功させるには

UAEにおける中古車輸出は、解体と部品販売が中心となる独特のビジネスモデルを持っています。具体的な取引価格や物流コストを把握し、レギュレーションへの対応を徹底することで、安定した収益を確保できます。日本車のブランド力と部品需要を活かし、UAE市場での競争優位を確立しましょう。




Thank you for your continued support of Japan Carrier.


The Japan Carrier Team



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